B1 · 中級 TOEIC 405–600 IELTS 4.0–5.0 文の構造と変換

話法(伝達話法)入門

話法(Reported Speech)の基本を学び、伝達動詞と時制の一致を使って人の発言を正しく伝えられるようになろう。

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話法とは何か:直接話法と間接話法(伝達話法)の基本の違い

英語には、人が言ったことを伝える方法が2つあります。1つは相手の発言をそのまま「」(英語ではクォーテーションマーク " ")で囲んで引用する「直接話法(direct speech)」、もう1つは発言の内容を自分の言葉として文中に組み込んで伝える「間接話法(indirect speech / reported speech)」です。日本語にも「〜と言った」という伝聞表現はありますが、英語の間接話法には時制の一致(sequence of tenses)人称代名詞の変化時や場所を表す語句の変化という、日本語にはない機械的なルールが3つセットで存在します。この記事では、この「reported speech(報告話法)」の基本を、日本人学習者がつまずきやすいポイントに絞って徹底的に解説します。

英語の資格試験(英検、TOEIC、TOEFL、大学入試)でも頻出の文法項目であり、日常英会話でも「彼は〜と言っていたよ」と人から聞いた話を伝える場面は非常に多いため、実用性の高い文法事項です。

直接話法と間接話法の比較表

項目 直接話法(Direct Speech) 間接話法(Reported/Indirect Speech)
定義 発言をそのまま引用符で囲んで伝える 発言の内容を自分の文として組み込んで伝える
記号 クォーテーションマーク " " を使う クォーテーションマークを使わない
例文 She said, "I am tired." She said (that) she was tired.
日本語訳 彼女は「私は疲れています」と言った。 彼女は疲れていると言った。
時制 発言当時のまま変化しない 伝達動詞が過去形なら時制が1つ過去にずれる(時制の一致)
代名詞 話者の視点のまま 伝える人(報告者)の視点に変わる

Reported Speech の基本公式(形)

間接話法に書き換えるときの基本構造はシンプルです。まずはこの「形(公式)」を頭に入れましょう。

直接話法: 主語 + say/said, "文(発言内容そのまま)."

間接話法: 主語 + said (that) + 主語 + 動詞(時制変化後)...

He said, "I like coffee."
→ He said (that) he liked coffee.
(彼はコーヒーが好きだと言った。)

ポイントは、伝達動詞(said)が過去形のとき、that節の中の動詞も原則として「1つ前の時制」に下げるということです。これを「時制の一致(backshift of tenses / sequence of tenses)」と呼びます。日本語では「〜が好きだと言った」と訳しても時制の変化を意識することはありませんが、英語では機械的なルールとして動詞の形を変える必要があります。

say と tell の使い分け(日本人が混同しやすいポイント)

動詞 目的語(人)の有無 例文
say 直後に人を置けない(前置詞 to が必要) He said to me that he was busy.
say(人なし) そのまま使える He said that he was busy.
tell 直後に人(目的語)が必要 He told me that he was busy.
tell(人なし) ✕ 使えない ✕ He told that he was busy.(誤り)

日本語の「言う」という動詞は「〜に言う」でも「〜と言う」でも自然に使えるため、多くの学習者が say と tell を混同します。"He said me..." は典型的な誤りです。「言う相手(人)」を直後に置きたいときは必ず tell を使う、というルールを意識しましょう。

時制の一致(sequence of tenses)の変化表

伝達動詞(said, told など)が過去形のとき、直接話法の動詞は次のように変化します。これは間接話法の中で最も重要な変化表です。

直接話法(元の時制) 間接話法(変化後の時制) 例文(直接→間接)
現在形 (am/is/are, do/does) 過去形 (was/were, did) "I am happy." → He said he was happy.
現在進行形 (am/is/are + -ing) 過去進行形 (was/were + -ing) "I am studying." → She said she was studying.
現在完了形 (have/has + 過去分詞) 過去完了形 (had + 過去分詞) "I have finished." → He said he had finished.
過去形 (did) 過去完了形 (had + 過去分詞) "I saw him." → She said she had seen him.
過去進行形 (was/were + -ing) 過去完了進行形 (had been + -ing) "I was sleeping." → He said he had been sleeping.
過去完了形 (had + 過去分詞) 変化なし(過去完了形のまま) "I had left." → She said she had left.
will would "I will call you." → He said he would call me.
can could "I can swim." → She said she could swim.
may might "I may come." → He said he might come.
must had to(または must のまま) "I must go." → She said she had to go.

学習のポイント: この表を丸暗記するのではなく、「時間軸を1つ過去にずらす」というイメージで理解すると定着しやすくなります。現在→過去、過去→過去完了、というように「時間の階段を1段下げる」感覚です。日本語には時制の一致という概念自体が存在しないため、最初は「なぜ動詞の形を変える必要があるのか」がピンと来ない学習者が多いですが、これは英語という言語が持つ「時制の相対性」のルールだと割り切って覚えるのが近道です。

時制の一致が起こらないケース(例外)

以下の場合は時制を変化させなくてもよい、または変化させてはいけません。

  1. 不変の真理・一般的事実: 現在形のまま使う。
  2. "The earth goes around the sun." → He said that the earth goes around the sun.(地球は太陽の周りを回っていると彼は言った。)
  3. 現在でも変わらない事実・習慣: 現在形のまま使ってよい。
  4. "I live in Tokyo." → She said she lives in Tokyo.(今も東京に住んでいる場合)
  5. 伝達動詞が現在形の場合: 時制の一致は起こらない。
  6. He says, "I am busy." → He says he is busy.(彼は忙しいと言っている。)

人称代名詞・所有格の変化ルール

直接話法から間接話法に書き換える際、話者と聞き手の関係が変わるため、代名詞も視点に合わせて変化させる必要があります。日本語では主語を省略することが多いため、この人称の変化を見落としがちなので注意が必要です。

直接話法での人称 間接話法での変化ルール
I / we 発言者(主語)に合わせて he / she / they などに変える
you 聞き手(伝える相手)に合わせて I / we / he / she などに変える
my / our his / her / their などに変える
this / these that / those に変える(近い→遠いイメージ)
Tom said to me, "I will help you."
→ Tom said that he would help me.
(トムは私を手伝ってくれると言った。)

この例文では、"I"(トム自身)が he に、"you"(私)が me に変化していることに注目してください。日本人学習者は「主語が変わる」という発想自体に慣れていないため、機械的に「I→he、you→私(の立場)」と置き換える練習を繰り返すことが重要です。

時・場所を表す語句の変化一覧表

直接話法の発言がなされた「時点」と、それを間接話法で伝える「時点」がずれる場合、時や場所を示す副詞(語句)も変化させる必要があります。これは日本人学習者が最も見落としやすいポイントの一つです。

直接話法 間接話法
now then / at that time
today that day
tonight that night
yesterday the day before / the previous day
tomorrow the next day / the following day
last night the night before
next week the following week
ago before
here there
this that
these those
He said, "I will finish it tomorrow."
→ He said he would finish it the next day.
(彼は翌日それを終わらせると言った。)

ネイティブの感覚として: これらの変化は「発言した時点」を基準に「今それを伝えている時点」がどれだけずれているかによって決まります。もし同じ日のうちに伝える場合は today のままでもよいなど、状況に応じた柔軟な判断が実際の会話では行われます。試験ではルール通りの変化が問われますが、日常会話では文脈次第で変化しないこともある、という点も知っておくと実践的です。

疑問文の間接話法:Yes/No疑問文とWH疑問文の書き換え方

reported speech の中でも特に間違いが多いのが疑問文の書き換えです。ここには2つのパターンがあります。

Yes/No疑問文(if / whether を使う)

助動詞や be動詞で始まる疑問文(Yes/Noで答えられる疑問文)は、if または whether を使って間接話法にします。

形(公式): 主語 + asked (+人) + if/whether + 主語 + 動詞(平叙文の語順)

He said to me, "Do you like sushi?"
→ He asked me if I liked sushi.
(彼は私に寿司が好きかどうか尋ねた。)

WH疑問文(疑問詞をそのまま使う)

what, where, when, why, who, how などの疑問詞で始まる疑問文は、その疑問詞をそのまま使って間接話法にします。

形(公式): 主語 + asked (+人) + 疑問詞 + 主語 + 動詞(平叙文の語順)

She said to him, "Where do you live?"
→ She asked him where he lived.
(彼女は彼にどこに住んでいるか尋ねた。)

疑問文を間接話法にするときの最重要ルール:語順を平叙文に戻す

最も重要なルールは、間接話法にした疑問文は「疑問文の語順」ではなく「平叙文(普通の文)の語順」に戻すことです。 これは日本人学習者が非常に高い頻度で間違えるポイントです。

❌ 誤り ⭕ 正しい なぜ間違いか
He asked me where did I live. He asked me where I lived. 疑問文の語順(do/did+主語+動詞)のまま残してしまう典型的な誤り。間接話法内は平叙文の語順(主語+動詞)に戻す必要がある。
She asked if did he like it. She asked if he liked it. if/whether節の中でも疑問文の倒置(did+主語)を使ってはいけない。
I asked her what is her name. I asked her what her name was. be動詞の疑問文語順(is+主語)も平叙文語順(主語+is)に戻す必要がある。
He asked me do I want tea. He asked me if I wanted tea. Yes/No疑問文には if/whether が必須。省略できない。

また、間接話法の疑問文では疑問符(?)を付けないというルールも忘れがちです(伝達文全体は平叙文になるため、ピリオドで終わります)。

命令文・依頼文の間接話法:tell / ask / advise + to不定詞

命令文(Do this. / Don't do that.)を間接話法にする場合、that節ではなく to不定詞 を使う点が大きな特徴です。

形(公式):
- 肯定の命令:主語 + told/asked/advised + 人 + to + 動詞の原形
- 否定の命令:主語 + told/asked/advised + 人 + not to + 動詞の原形

直接話法 間接話法
He said, "Close the door." He told me to close the door.(彼は私にドアを閉めるように言った。)
She said, "Please help me." She asked me to help her.(彼女は私に手伝ってくれるように頼んだ。)
The teacher said, "Don't be late." The teacher told us not to be late.(先生は私たちに遅刻しないように言った。)
Mom said, "Don't touch it." Mom told me not to touch it.(母は私にそれに触らないように言った。)

日本人学習者が特に注意すべき点: that節を使って "He told me that I close the door." のようにしてしまう誤りが非常に多く見られます。命令文の間接話法は必ず to不定詞 を使うと覚えましょう。また、依頼のニュアンス(please)が含まれる場合は told ではなく ask を使うのが自然です。

伝達動詞(say, tell 以外)のバリエーションと使い分け

英語らしい自然な文章を書くためには、say / tell だけでなく、発言の内容やニュアンスに応じた伝達動詞(reporting verbs)を使い分けることが重要です。日本語の参考書ではあまり触れられませんが、実際の英文や英検・TOEFLのライティングでは非常によく使われます。

伝達動詞 用法 例文
suggest 提案する(that節 + 動詞の原形、または動名詞) He suggested that we go together. / He suggested going together.
advise 助言する(人 + to不定詞) She advised me to see a doctor.
promise 約束する(that節、または to不定詞) He promised that he would come. / He promised to come.
warn 警告する(人 + to不定詞、または人 + not to) She warned him not to be late.
admit 認める(that節) He admitted that he had made a mistake.
deny 否定する(that節、または動名詞) She denied that she had taken it.
explain 説明する(人には to が必要) He explained to me that he was busy.
complain 不満を言う(that節) She complained that the room was cold.
remind 思い出させる(人 + to不定詞) He reminded me to bring my passport.

explain の注意点: explain は tell と違い、「人」を直後に置けません。必ず explain to + 人 の形にする必要があります。"He explained me that..." は誤りで、"He explained to me that..." が正しい形です。この点は日本語の「〜に説明する」という発想から誤りやすい典型例です。

日本人学習者が特につまずきやすいポイント総まとめ

❌ 誤り ⭕ 正しい なぜ間違いか(解説)
He said me that he was tired. He told me that he was tired. say は直後に人を置けない。人を目的語に取るのは tell。
She told that she was happy. She said that she was happy.(または told + 人 + that) tell は目的語(人)が必須。人を省略するなら say を使う。
He asked me where did I go. He asked me where I went. 間接疑問文は平叙文の語順に戻す。疑問文の語順のまま残さない。
The teacher told that we study hard. The teacher told us to study hard. tell + 人 + to不定詞 の形(命令・指示の意味)を使う必要がある。
I explained him the reason. I explained to him the reason. explain は tell と違い前置詞 to が必要。
He said, "I go to school every day" was reported as "He said he goes to school every day" only. 文脈によって時制を一致させるかどうか判断が必要(不変の真理・習慣は現在形も可)。 時制の一致は「絶対」ではなく「文脈依存」の場合がある点を理解する。
このアプリで「言う」を全部 say で訳してしまう 文の構造(人を置くか、that節か、to不定詞か)に応じて say/tell/ask/explain を使い分ける 日本語の「言う」に対応する英語の動詞は複数あり、構文ごとに使い分けが必要。

なぜこれらの間違いが起こりやすいのか: 日本語では「〜に言った」「〜と言った」のどちらも「言う」という1つの動詞で表現でき、動詞の後ろに人が来るか内容が来るかによって動詞自体を変える必要がありません。しかし英語では say・tell・ask・explain など、後ろに続く要素(人の有無、that節か to不定詞か)によって使う動詞そのものが厳密に決まっています。この「動詞ごとの文型のルール」を意識することが、reported speech 攻略の核心です。

実践的な例文で学ぶ Reported Speech(日常会話でよく使う表現)

以下は、日常生活でよく使われる自然な英文とその間接話法への書き換え例です。さまざまな主語・時制のパターンに慣れることで、実際の会話やライティングで応用できる力が身につきます。

1. Direct: My boss said, "I need this report by Friday."
   Reported: My boss said (that) he needed that report by that Friday.
   (上司は、その報告書を金曜日までに必要だと言った。)

2. Direct: My sister said, "I'm moving to Osaka next month."
   Reported: My sister said (that) she was moving to Osaka the following month.
   (妹は来月大阪に引っ越すと言った。)

3. Direct: The students asked, "Can we leave early today?"
   Reported: The students asked if they could leave early that day.
   (生徒たちはその日早く帰ってもいいか尋ねた。)

4. Direct: He said, "I have never been to Kyoto."
   Reported: He said (that) he had never been to Kyoto.
   (彼は京都に行ったことがないと言った。)

5. Direct: The doctor told me, "Drink more water."
   Reported: The doctor told me to drink more water.
   (医者は私にもっと水を飲むように言った。)

6. Direct: She asked, "What time does the train leave?"
   Reported: She asked what time the train left.
   (彼女は電車が何時に出るか尋ねた。)

7. Direct: They said, "We will not attend the meeting."
   Reported: They said (that) they would not attend the meeting.
   (彼らはその会議に出席しないと言った。)

8. Direct: My friend said, "I can't come to the party tonight."
   Reported: My friend said (that) she couldn't come to the party that night.
   (友人は今夜のパーティーに来られないと言った。)

学習のポイント: 最初はこのように「直接話法→間接話法」のペアをセットで音読しながら書き写す練習が効果的です。特に主語が変わるパターン(I→he/she、my→his/her)を意識しながら繰り返すことで、自然に語順や代名詞の変化が身についていきます。英検の準1級・1級のライティングやリスニング問題、TOEICのPart 3・4でも間接話法の理解が問われるため、資格試験対策としても重要な文法項目です。

まとめ:Reported Speech 攻略のために覚えるべき核心ルール

  • 直接話法はクォーテーションマークで発言をそのまま引用し、間接話法(reported speech)は発言内容を that節や to不定詞などに組み込んで伝える。
  • 伝達動詞が過去形のとき、動詞の時制を1段階過去にずらす「時制の一致」が原則として起こる(現在→過去、過去→過去完了など)。ただし不変の真理や現在も変わらない事実は現在形のままでよい。
  • 人称代名詞(I, you, my など)は、発言者と聞き手の関係に応じて he/she/they、his/her/their などに変化させる。
  • now, today, tomorrow, here などの時・場所を表す語句も、伝える時点に合わせて then, that day, the next day, there などに変化させる。
  • say は直後に人を置けず(say to + 人)、tell は直後に人が必須(tell + 人)。この使い分けミスは日本人学習者に非常に多い。
  • 疑問文を間接話法にするときは、Yes/No疑問文なら if/whether を、WH疑問文なら疑問詞をそのまま使い、いずれも語順を平叙文(主語+動詞)に戻す。疑問符も付けない。
  • 命令文・依頼文は that節ではなく、tell/ask/advise + 人 + to不定詞(否定は not to)の形で表す。
  • suggest, advise, promise, warn, explain など、say/tell 以外の伝達動詞もそれぞれ固有の文型を持つため、動詞ごとのルールを個別に覚える必要がある。
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話法(伝達話法)入門 — 練習問題 1

英文法トピック話法(伝達話法)入門を10問の選択式問題で練習しましょう。合格するには少なくとも70%を正解する必要があります。

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  1. 1

    My parents reminded me, 'Don't forget to call us!'

  2. 2

    She said, 'I am reading a book.'

  3. 3

    The child begged, 'Please give me a cookie!'

  4. 4

    He told her, 'You are beautiful.'

  5. 5

    He complained, 'I didn't receive the email.'

  6. 6

    She told me, 'I can meet you tomorrow.'

  7. 7

    They said, 'We are going home.'

  8. 8

    She told him, 'I love this song.'

  9. 9

    He said, 'I went to the park yesterday.'

  10. 10

    She asked, 'How long have you been waiting?'