B2 · 中上級 TOEIC 605–780 IELTS 5.5–6.5 時制とアスペクト

過去完了形

過去完了形(had + 過去分詞)を学び、別の過去の出来事より前に完了した動作を表現しよう。物語の順序整理に必須。

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過去完了形とは?基本の意味と使うタイミング

過去完了形(Past Perfect)は、過去のある時点よりもさらに前に起きたことを表す時制です。日本語の「〜していた」「〜してしまっていた」という表現に近いイメージですが、日本語では時制の前後関係を動詞の形だけで厳密に区別しないため、英語学習者が最も混乱しやすい文法項目の一つです。

例えば、次の日本語を見てください。

「駅に着いたとき、電車はもう出発していた。」

この文には「着いた」と「出発していた」という2つの過去の出来事がありますが、日本語ではどちらも「た」で終わり、見た目上は区別がつきません。しかし英語では、時間的に先に起きた出来事(電車が出発した)を過去完了形にし、後に起きた出来事(駅に着いた)を過去形にすることで、2つの出来事の前後関係を文法的にはっきり示します。

When I arrived at the station, the train had already left.
(駅に着いたとき、電車はすでに出発していた。)

このように、過去完了形は「過去の中でのさらに過去」=「大過去」を表すための時制です。単独では使われず、多くの場合、基準となる過去形の文とセットで使われる点が最大の特徴です。

過去完了形の形(公式)と基本構造

過去完了形は「had + 過去分詞(p.p.)」という形で作ります。主語が何であっても had の形は変わらない(三人称単数でも has にならない)ことが、現在完了形との大きな違いです。

種類 形(公式) 例文
肯定文 主語 + had + 過去分詞 She had finished the report before noon.(彼女は正午前に報告書を終えていた。)
否定文 主語 + had not(hadn't) + 過去分詞 She hadn't finished the report before noon.(彼女は正午前に報告書を終えていなかった。)
疑問文 Had + 主語 + 過去分詞 ~? Had she finished the report before noon?(彼女は正午前に報告書を終えていましたか。)
疑問詞疑問文 疑問詞 + had + 主語 + 過去分詞 ~? Why had she finished the report so early?(なぜ彼女はそんなに早く報告書を終えていたのですか。)

短縮形について

会話や日常的な英文では had は主語と短縮されるのが普通です。

完全形 短縮形
I had I'd
She had She'd
They had They'd
had not hadn't

注意点として、I'dI had の短縮形にも I would の短縮形にもなり得ます。後ろに過去分詞が続いていれば過去完了形(had)、動詞の原形が続いていれば仮定法・意志(would)と判断します。

I'd studied English for three years before I moved to Canada.(= I had studied/カナダに引っ越す前、私は3年間英語を勉強していた。)
I'd like some coffee.(= I would like/コーヒーが欲しいです。)

過去完了形の主な用法

1. 過去のある時点より前に完了していたことを表す用法

基準となる過去の出来事(過去形)より前に、すでに終わっていた動作・出来事を表します。「〜し終えていた」「すでに〜していた」というニュアンスです。

By the time the movie started, we had already found our seats.(映画が始まる頃には、私たちはすでに席を見つけていた。)
The plane had taken off before we reached the gate.(私たちがゲートに着く前に、飛行機はすでに離陸していた。)

2. 過去のある時点までの経験・継続を表す用法(現在完了形の「過去版」)

現在完了形が「現在までの経験・継続」を表すのと同じ発想で、過去完了形は「過去のある時点までの経験・継続」を表します。

By the age of 30, he had visited more than twenty countries.(30歳までに、彼は20か国以上を訪れたことがあった。)
They had known each other for ten years when they got married.(結婚した時点で、彼らは10年来の知り合いだった。)

3. 過去の出来事の原因・理由を後から説明する用法

過去形で結果を述べたあとに、その原因となった「さらに過去の出来事」を過去完了形で補足説明する用法です。ニュース記事や物語文で頻出します。

He looked exhausted because he had worked all night.(彼は疲れきって見えた。なぜなら一晩中働いていたからだ。)
The road was closed because a tree had fallen during the storm.(道路は閉鎖されていた。嵐の間に木が倒れていたからだ。)

4. 仮定法過去完了で「過去の事実と反対の仮定」を表す用法

if 節の中で過去完了形を使うと、「実際には起こらなかった過去の出来事」についての仮定(=現実には不可能な「たられば」)を表します。この場合、主節には would have + 過去分詞 などが続きます。

If I had known about the traffic, I would have left earlier.(渋滞を知っていたら、もっと早く出発していたのに。=実際は知らなかった。)
If she had studied harder, she would have passed the exam.(もっと一生懸命勉強していたら、彼女は試験に合格していただろうに。)

5. wish + had + 過去分詞で「過去の後悔」を表す用法

I wish の後ろに過去完了形を続けると、「〜していればよかったのに」という過去に対する後悔を表します。

I wish I had studied abroad when I was young.(若い頃に留学していればよかった。)
She wishes she hadn't said that.(彼女はあんなことを言わなければよかったと思っている。)

6. before / after / by the time などの時を表す接続詞と組み合わせる用法

beforeafterby the timeuntil などの接続詞とともに使い、出来事の前後関係を明確にします。ただし before を使う場合は、時系列がすでに明らかなため、過去完了形を使わず単純過去で済ませることも実際にはよくあります(後述)。

After the guests had left, we cleaned up the house.(お客さんが帰った後、私たちは家を片付けた。)
I hadn't eaten anything until my mother had come home.(母が帰宅するまで、私は何も食べていなかった。)

現在完了形・過去形・過去完了形の違いを整理する

日本人学習者は「完了形」という名前だけを見て現在完了形と過去完了形を混同しがちです。しかし両者の基準時点が異なることを理解すれば、混乱はなくなります。

時制 基準時点 意味 例文
現在形 現在の習慣・事実 I eat breakfast every day.(私は毎日朝食を食べる。)
過去形 過去のある一点 その時点で起きたこと I ate breakfast at 7 a.m.(私は午前7時に朝食を食べた。)
現在完了形 今(基準は現在) 過去〜現在までの経験・継続・完了 I have already eaten breakfast.(私はもう朝食を食べた=今お腹が空いていない。)
過去完了形 過去のある一点(基準は過去) その過去の時点より前に起きたこと I had already eaten breakfast when he called.(彼が電話してきたとき、私はすでに朝食を食べ終えていた。)

つまり、現在完了形は「現在」を基準にした振り返りであるのに対し、過去完了形は「過去のある一点」を基準にした振り返りです。基準点が現在から過去にスライドしただけと考えると理解しやすくなります。

学習のポイント:「時間軸を線で描く」感覚をつかむ

日本語は時間の前後関係を文脈や副詞(「すでに」「〜する前に」など)に頼りがちですが、英語は時制の形そのもので前後関係を示します。英文を読むときは、頭の中に時間軸の線を1本引き、出来事をその線の上に位置づける習慣をつけると、過去完了形の感覚が自然に身についてきます。ネイティブスピーカーは、2つの過去の出来事の間に明確な時間差を意識させたいときにだけ過去完了形を選び、前後関係が言わなくてもわかる場合は単純過去で済ませる、というメリハリをつけています。

日本人がよく間違えるポイント

❌ 誤り ⭕ 正しい表現 なぜ間違いなのか
❌ When I arrived, the train has already left. ⭕ When I arrived, the train had already left. 基準が過去(arrived)なので、それより前の出来事には現在完了形(has)ではなく過去完了形(had)を使う。現在完了形は「現在」が基準の時制であり、過去の文脈の中では使えない。
❌ I had went to Paris last year. ⭕ I had gone to Paris the year before. 過去完了形は「had + 過去分詞」。過去形(went)ではなく過去分詞(gone)を使う。また、他に比較対象となる過去の出来事がなければ、単に I went to Paris last year. で十分。
❌ After she had arrived, then she called me. ⭕ After she arrived, she called me. after があるため、話の前後関係はすでに明確。この場合は両方とも単純過去で問題なく、過去完了形は必須ではない(強調したい場合のみ使用)。過去完了形を「常に使わなければならない」と思い込むのは典型的な誤解。
❌ I have finished my homework before my mother came home.(過去の文脈なのに現在完了形を使う) ⭕ I had finished my homework before my mother came home. 文全体が過去の出来事(came home)を基準にしているため、それより前の出来事は過去完了形で表す。現在完了形と過去完了形の混同は最も多い誤りの一つ。
❌ If I know his phone number, I would have called him.(時制の不一致) ⭕ If I had known his phone number, I would have called him. 過去の事実に反する仮定(仮定法過去完了)では、if節に過去完了形、主節に would have + 過去分詞 を使う。現在形と組み合わせるのは誤り。
❌ I was tired because I had study all night.(過去分詞にしていない) ⭕ I was tired because I had studied all night. had の後ろは必ず過去分詞。study の過去分詞は studied であり、原形のままにしない。不規則動詞(go→gone, eat→eaten, see→seen など)は特に注意が必要。

日本語の「〜していた」という表現に引っ張られて、つい現在完了形(have/has + 過去分詞)を使ってしまうのが最も多いパターンです。文全体の基準時点が「今」なのか「過去のある一点」なのかを必ず確認する癖をつけましょう。

過去完了形を使った自然な例文集

さまざまな主語・場面での自然な例文を通じて、感覚をつかみましょう。

By the time I got to the office, my boss had already left for the meeting.(私がオフィスに着く頃には、上司はすでに会議に向けて出発していた。)

We had never seen snow before we moved to Hokkaido.(北海道に引っ越す前、私たちは雪を見たことがなかった。)

My grandfather had worked as a teacher for forty years before he retired.(祖父は退職する前、40年間教師として働いていた。)

The children were sad because their favorite show had already ended.(子どもたちは悲しんでいた。お気に入りの番組がすでに終わってしまっていたからだ。)

She realized that she had left her passport at home.(彼女はパスポートを家に忘れてきたことに気づいた。)

Had you ever traveled abroad before you went to Australia?(オーストラリアに行く前、あなたは海外旅行をしたことがありましたか。)

The company had lost a lot of money before the new CEO took over.(新しいCEOが就任する前、その会社は多くの資金を失っていた。)

If they had left earlier, they wouldn't have missed the flight.(もっと早く出発していれば、彼らは飛行機に乗り遅れなかっただろうに。)

過去完了進行形との違いに注意

過去完了形とよく似た形に「過去完了進行形(had been + 動詞のing形)」があります。過去完了形が「完了・結果」に焦点を当てるのに対し、過去完了進行形は「継続していた動作そのもの」に焦点を当てる点が異なります。

I had written three reports by 5 p.m.(午後5時までに、私は3本の報告書を書き終えていた。=完了した数・結果を強調)
I had been writing reports all afternoon.(私は午後じゅうずっと報告書を書き続けていた。=動作の継続を強調)

両者の違いについては、過去完了進行形の詳しい解説ページも参考にしてください。

まとめ:過去完了形の核心ルール

  • 過去完了形は「had + 過去分詞」で作り、過去のある時点よりさらに前に起きたことを表す。
  • 主語による形の変化はなく、常に had を使う(三人称単数でも had のまま)。
  • 基準となる過去の出来事(過去形)と組み合わせて使うのが基本パターン。
  • 現在完了形との違いは「基準時点」。現在完了形の基準は「今」、過去完了形の基準は「過去のある一点」。
  • beforeafterby the time などが前後関係をすでに明示している場合、過去完了形は必須ではなく単純過去でも自然な英語になる。
  • 仮定法過去完了(If + had + 過去分詞, would have + 過去分詞)と I wish + had + 過去分詞 は、過去完了形の重要な応用パターンとして必ず押さえておく。
  • 日本語の「〜していた」という表現につられて現在完了形と混同しないよう、常に「文全体の時間軸の基準はどこか」を意識する。
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過去完了形 — 練習問題 3

英文法トピック過去完了形を10問の選択式問題で練習しましょう。合格するには少なくとも70%を正解する必要があります。

10 問 合格スコア: 70% テスト 3 /10 回答済み

テストの受け方

  • 各問題をよく読み、最も適切な答えを選んでください。
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  1. 1

    She told me yesterday that she ______ her job the day before.

  2. 2

    He ______ in that city for five years before he moved.

  3. 3

    Before I moved to London, I ______ in a small village.

  4. 4

    The patient ______ before the doctor arrived.

  5. 5

    The city ______ significantly since the last time I was there, a decade prior.

  6. 6

    After they ______ their dinner, they watched a film.

  7. 7

    The house was completely different from the one I ______ as a child.

  8. 8

    Having ______ the book, he felt ready for the discussion.

  9. 9

    ______ you ______ the book before you saw the movie?

  10. 10

    The ancient ruins were much more impressive than I ______.