基数詞(Cardinal Numbers)とは何か
英語の基数詞(cardinal numbers)とは、one, two, three, four…のように「数量・個数」を表す数詞のことです。日本語の「1つ、2つ、3つ」に相当し、順序を表す「1番目、2番目」を意味する序数詞(ordinal numbers: first, second, third…)とは明確に区別されます。
基数詞は英語学習の最初期に習うにもかかわらず、日本人学習者が生涯にわたって間違え続ける分野の一つです。理由は単純で、日本語の数の数え方(「1、10、100、1000、1万、10万、100万」)と英語の数の数え方("one, ten, hundred, thousand, ten thousand, hundred thousand, million")の「桁の区切り方」が根本的に異なるからです。特に日本語は4桁(万)区切り、英語は3桁(thousand)区切りという構造的な違いがあり、これが「万」「億」を含む数字を英語で言う際に混乱を引き起こします。
さらに、hundred・thousand・million などの単位語に複数形の -s を付けるかどうか、times(倍数)の表現、電話番号や年号の読み方など、基数詞には覚えるべきルールが多数存在します。本記事では、日本人学習者が特につまずきやすいポイントに焦点を当て、体系的に解説します。
基数詞の基本形(1~100の一覧表)
まずは基本となる1から20までの基数詞と、10の倍数の一覧を確認しましょう。
| 数字 | 英語 | 数字 | 英語 |
|---|---|---|---|
| 1 | one | 11 | eleven |
| 2 | two | 12 | twelve |
| 3 | three | 13 | thirteen |
| 4 | four | 14 | fourteen |
| 5 | five | 15 | fifteen |
| 6 | six | 16 | sixteen |
| 7 | seven | 17 | seventeen |
| 8 | eight | 18 | eighteen |
| 9 | nine | 19 | nineteen |
| 10 | ten | 20 | twenty |
10の倍数(21~99の土台となる数)は以下の通りです。
| 数字 | 英語 |
|---|---|
| 20 | twenty |
| 30 | thirty |
| 40 | forty(※ four + ty ではなく forty。u が脱落する) |
| 50 | fifty |
| 60 | sixty |
| 70 | seventy |
| 80 | eighty |
| 90 | ninety |
21以上99以下の数字は「10の位」と「1の位」をハイフン(-)でつなぎます。これはスペリングの基本ルールなので必ず押さえておきましょう。
形(公式):
| 構造 | 例 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 10の位 + ハイフン + 1の位 | twenty-one, thirty-five, ninety-nine | 21、35、99 |
- I am twenty-three years old.(私は23歳です。)
- There are forty-five students in this class.(このクラスには45人の生徒がいます。)
学習のポイント: twenty one のようにハイフンなしで書く誤りが非常に多く見られます。書き言葉(メール、エッセイ、履歴書など)では必ずハイフンでつなぐと覚えましょう。
100以上の数字とhundred・thousand・millionの使い方
ここからが日本人学習者にとって最大の難関です。英語は3桁ごとに区切って数字を読むため、まず「3桁区切り」の感覚を体に染み込ませる必要があります。
形(公式):
| 桁数 | 英語の単位 | 例 |
|---|---|---|
| 100 | one hundred | 100 |
| 1,000 | one thousand | 1,000 |
| 1,000,000 | one million | 1,000,000 |
| 1,000,000,000 | one billion | 1,000,000,000 |
100以上の数字を読む基本ルールは「hundred/thousand/millionの前には必ずandを入れない」ではなく、正確には以下のようになります(イギリス英語とアメリカ英語で多少差がありますが、基本形は共通です)。
基本の読み方の公式:
[百の位] hundred (and) [十の位・一の位]
- 234 → two hundred (and) thirty-four
- アメリカ英語では and を省略することが多い: two hundred thirty-four
- イギリス英語では and を入れるのが標準: two hundred and thirty-four
- 1,050 → one thousand (and) fifty
- 3,000,000 → three million
重要ルール: hundred, thousand, million, billion は、直前に具体的な数がある場合、複数形の-sを付けない。
- ⭕ three hundred dollars(300ドル)
- ❌ three hundreds dollars
ただし、「〜百もの」「〜千もの」のように漠然とした大量を表す場合は hundreds of / thousands of のように複数形+of を使います。
- Hundreds of people attended the concert.(何百人もの人がコンサートに来た。)
- I have thousands of photos on my phone.(携帯電話に何千枚もの写真がある。)
日本語の「万」「億」を英語でどう表現するか
日本人学習者が最も苦労するのがこのポイントです。日本語は「一、十、百、千、万、十万、百万、千万、億」と4桁ごとに新しい単位(万・億)が登場しますが、英語には「万」に相当する単位語が存在せず、3桁ごとに thousand → million → billion と単位が変わります。
この違いを可視化した対応表が非常に重要です。
日本語と英語の桁対応表:
| 日本語 | 数字 | 英語 |
|---|---|---|
| 一万 | 10,000 | ten thousand |
| 十万 | 100,000 | one hundred thousand |
| 百万 | 1,000,000 | one million |
| 一千万 | 10,000,000 | ten million |
| 一億 | 100,000,000 | one hundred million |
| 十億 | 1,000,000,000 | one billion |
| 一兆 | 1,000,000,000,000 | one trillion |
学習のポイント(ネイティブの感覚): ネイティブスピーカーは数字を見たとき、日本語話者のように4桁区切り(1,0000)ではなく、3桁区切り(10,000)でカンマの位置を認識しています。そのため、大きな数字を英語で言う練習をするときは、「万」で考えるのをいったんやめて、数字をカンマ(,)の位置で3桁ずつ区切って読む癖をつけるのが最も効果的です。
例えば「12万3千」という日本語を英語にする場合、頭の中で「12」「3」を直接英語にしようとすると誤りが生まれます。正しい手順は次の通りです。
- まず算用数字にする: 123,000
- カンマで区切られた3桁のかたまりごとに読む: 123 → one hundred twenty-three、000 → thousand
-
組み合わせる: one hundred twenty-three thousand
-
The car costs one hundred twenty-three thousand dollars.(その車は12万3千ドルする。)
- The population of the city is about two million three hundred thousand.(その都市の人口は約230万人だ。)
桁区切りのカンマとピリオドに関する注意点
英語圏(特に米・英)では数字の桁区切りにカンマ(,)を使い、小数点にはピリオド(.)を使います。これは日本語の表記と同じなので問題ありませんが、ヨーロッパの一部の国(ドイツ、フランスなど)では逆になる(カンマが小数点、ピリオドが桁区切り)ため、海外の文書を読む際は注意が必要です。
| 表記 | 英語圏での意味 |
|---|---|
| 1,000 | 1000(千) |
| 1.5 | 1.5(一点五) |
- The price is $1,234.56.(価格は1,234.56ドルです。)→ 読み方: one thousand two hundred thirty-four dollars and fifty-six cents
電話番号・年号・単位の基数詞の読み方
基数詞は日常生活のさまざまな場面で特殊な読み方をすることがあります。これも日本人学習者がつまずきやすいポイントです。
電話番号の読み方
電話番号は基数詞を1桁ずつ区切って読みます。まとまった数として読まない点に注意しましょう。0は "zero" または "oh"(オゥ)と読みます。
- 090-1234-5678 → oh-nine-zero, one-two-three-four, five-six-seven-eight
- 同じ数字が2つ続く場合は "double" を使うことがある(イギリス英語で特に多い): 5556 → double five, double six
年号の読み方
年号は多くの場合、2桁+2桁に区切って読みます。ただし2000年以降は言い方が変化してきています。
| 年 | 読み方 |
|---|---|
| 1999 | nineteen ninety-nine |
| 2000 | two thousand |
| 2005 | two thousand five / twenty oh-five |
| 2023 | twenty twenty-three |
単位(お金・時間・重さなど)との組み合わせ
- five dollars(5ドル)※ dollar は可算名詞なので複数形の-sが付く
- three kilometers(3キロメートル)
- ten minutes(10分)
学習のポイント: 数字が2以上のとき、後ろに続く名詞(可算名詞)は必ず複数形になります。これは日本語にはない発想で、日本語では「5ドル」の「ドル」は形が変化しませんが、英語では dollar → dollars と変化する点を意識しましょう。
倍数・分数・電卓表現(times, half, percentなど)
基数詞は倍数表現や分数表現とも組み合わさります。
倍数(〜倍)の表現:
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| twice / two times | 2倍 |
| three times | 3倍 |
| ten times | 10倍 |
- This building is three times taller than that one.(このビルはあのビルより3倍高い。)
学習のポイント: 「2倍」は two times ではなく twice が最も自然な表現です。three times 以降は数字+times の形を使います。日本語の「2倍」という発想から two times と直訳しがちですが、twice を優先的に使うのがネイティブの感覚です。
割合・パーセントの表現:
- fifty percent(50パーセント)
- a hundred percent(100パーセント)
混同しやすい基数詞と序数詞の比較
基数詞(cardinal numbers)と序数詞(ordinal numbers)は役割が異なるため、混同すると意味が変わってしまいます。
| 項目 | 基数詞 | 序数詞 |
|---|---|---|
| 意味 | 数量・個数 | 順序 |
| 例 | one, two, three | first, second, third |
| 使う場面 | 個数を数える | 順番を示す、日付を言う |
| 例文 | I have three books.(本を3冊持っている。) | This is the third book.(これは3冊目の本だ。) |
- ❌ I live on the two floor.
- ⭕ I live on the second floor.(私は2階に住んでいる。)
日付を言うときは序数詞を使うのが基本ルールです(ただし表記上は数字のみのことも多い: March 3 と書いて March third と読む)。
日本人がよく間違えるポイント
| ❌ 誤 | ⭕ 正 | なぜ |
|---|---|---|
| twenty one | twenty-one | 21〜99の複合数字にはハイフンが必要。書き言葉での省略は誤り。 |
| three hundreds people | three hundred people | hundred/thousand/millionは直前に具体的な数があるとき複数形にしない。 |
| I am twenty years. | I am twenty years old. | 年齢を言うときは old を省略しない(口語で省く場合もあるが基本形はold付き)。 |
| It costs two hundred dollar. | It costs two hundred dollars. | dollarは可算名詞なので複数のときは-sが必要。 |
| 一万を「one man」のように直訳する | ten thousand | 「万」に対応する英単語は存在しない。3桁区切りで考える。 |
| two times(「2倍」の意味で) | twice | 2倍は twice が自然。three times以降はtimesを使う。 |
| the two floor | the second floor | 順序を表す場合は序数詞を使う。 |
| 130,000を「thirteen ten thousand」のように直訳 | one hundred thirty thousand | 3桁ごとに区切って読む英語の発想に合わせる。 |
自然な英語例文で基数詞を確認する
- She has two brothers and one sister.(彼女には兄弟が2人、姉妹が1人いる。)
- We ordered fifty chairs for the event.(私たちはそのイベント用に椅子を50脚注文した。)
- The company has more than one thousand employees.(その会社には1000人を超える従業員がいる。)
- He saved about three hundred thousand yen last year.(彼は昨年約30万円貯金した。)
- Over two million tourists visit this city every year.(毎年200万人以上の観光客がこの都市を訪れる。)
- My grandmother is eighty-nine years old.(私の祖母は89歳です。)
- There are seven continents and about two hundred countries in the world.(世界には7つの大陸と約200の国がある。)
- The population of Japan is around one hundred twenty-five million.(日本の人口は約1億2500万人だ。)
まとめ
- 基数詞(cardinal numbers)は「数量」を表し、序数詞(ordinal numbers)は「順序」を表す。両者を混同しない。
- 21〜99の複合数字は「10の位-1の位」の形でハイフンをつなぐ(twenty-one, forty-five)。
- hundred, thousand, million, billion は、直前に具体的な数字がある場合は複数形にしない(three hundred、three hundreds ではない)。
- 英語は3桁ごと(カンマ区切り)に数字を読む言語であり、日本語の4桁区切り(万・億)とは構造が異なる。大きな数字は必ずカンマの位置で3桁ずつ区切って考える。
- 「万」に直接対応する英単語はない。10,000 = ten thousand、100,000 = one hundred thousand、1,000,000 = one million と3桁区切りの発想で変換する。
- 数字の後に続く可算名詞は、数字が2以上のとき複数形にする(two dollars, three kilometers)。
- 「2倍」は twice が自然。3倍以降は three times, four times のように times を使う。
- 電話番号は1桁ずつ区切って読み、年号は多くの場合2桁+2桁で区切って読む。