C1 · 上級 TOEIC 785–900 IELTS 7.0–8.0 語形成(形態論)

名詞化(動詞・形容詞由来)

動詞(decide→decision)や形容詞(happy→happiness)を名詞化するNominalizationを学び、フォーマルな学術英作文に活かそう。

シェア: コピーしました!

名詞化(Nominalization)とは何か:動詞・形容詞を名詞に変える英語の仕組み

英語の名詞化(nominalization)とは、動詞や形容詞から名詞を作り出す語形成(word formation)のプロセスです。たとえば動詞 decide(決める)から名詞 decision(決定)を作ったり、形容詞 happy(幸せな)から名詞 happiness(幸福)を作ったりする現象を指します。

日本語では「決める」→「決定」、「幸せだ」→「幸福」のように、動詞・形容詞と名詞の間で語形自体が大きく変わらないか、あるいは漢語・和語の使い分けで対応することが多いため、英語のように接尾辞(suffix)を付けて品詞を変えるという発想に馴染みが薄い学習者が多くいます。しかし、英語のニュース記事、論文、ビジネス文書、契約書などのフォーマルな文章では名詞化が非常に高頻度で使われるため、リーディング・ライティング両方でこの仕組みを理解しておくことは英語上達に不可欠です。

名詞化には大きく分けて2種類あります。

  • 動詞由来の名詞化(deverbal nominalization): 動詞から作られる名詞。例)explainexplanation
  • 形容詞由来の名詞化(deadjectival nominalization): 形容詞から作られる名詞。例)happyhappiness

この記事では、この2種類の名詞化について、接尾辞のパターン、用法、日本人学習者が特につまずきやすいポイントを整理して解説します。


動詞由来の名詞化(deverbal nominalization)の作り方と代表的な接尾辞一覧

動詞由来の名詞化とは、動詞に接尾辞を付けて「〜すること」「〜という行為・結果」を表す名詞に変換したものです。日本語の「〜すること」という動名詞的発想と混同しやすいですが、英語の名詞化は単語自体が完全に名詞という品詞になるという点が異なります(この違いは後述の「動名詞との違い」で詳しく扱います)。

代表的な接尾辞と例

接尾辞 意味・特徴 動詞 名詞化した形 日本語訳
-tion / -sion 最も生産性が高い接尾辞。ラテン語系の動詞に多い decide decision 決定
explain explanation 説明
inform information 情報
discuss discussion 議論
-ment 行為・過程・結果を表す develop development 発展、開発
agree agreement 合意
manage management 経営、管理
-al 行為そのものを表すことが多い arrive arrival 到着
refuse refusal 拒否
propose proposal 提案
-ance / -ence 状態・行為を表す perform performance 実行、公演
exist existence 存在
assist assistance 援助
-ing 動名詞由来だが名詞として完全に定着したものも多い build building 建物
plan planning 計画(立案)
語形変化なし(ゼロ派生 / zero derivation) 動詞と同じ形のまま名詞として使う change change 変化
use use 使用
request request 依頼

学習のポイント: -tion / -sion は英語の名詞化の中で圧倒的に頻度が高く、TOEIC・大学入試・アカデミックライティングでも頻出です。動詞を覚えるときは、セットで名詞形も覚える習慣をつけると語彙が一気に広がります。

例文で確認する動詞由来の名詞化

  1. The government made a decision to raise taxes.
    (政府は増税する決定を下した。)
  2. Her explanation of the problem was very clear.
    (その問題についての彼女の説明は非常に明確だった。)
  3. The company announced a new development in AI technology.
    (その会社はAI技術における新しい発展を発表した。)
  4. His sudden arrival surprised everyone.
    (彼の突然の到着は皆を驚かせた。)
  5. We need your assistance with this project.
    (このプロジェクトにはあなたの援助が必要です。)

形容詞由来の名詞化(deadjectival nominalization)の作り方と代表的な接尾辞一覧

形容詞由来の名詞化とは、形容詞に接尾辞を付けて「〜さ」「〜であること」という性質・状態を表す名詞に変換したものです。日本語の「幸せ」→「幸福さ」「幸福」のように、形容詞と名詞が入れ替わる感覚に近い部分もありますが、英語では接尾辞の種類によって語形・ニュアンスが変わる点に注意が必要です。

代表的な接尾辞と例

接尾辞 意味・特徴 形容詞 名詞化した形 日本語訳
-ness 最も生産性が高く、ほぼどんな形容詞にも付けられる happy happiness 幸福
kind kindness 親切
sad sadness 悲しみ
dark darkness 暗さ
-ity / -ty ラテン語系の形容詞に多く、ややフォーマル possible possibility 可能性
real reality 現実
active activity 活動
curious curiosity 好奇心
-th 古くからある少数の語に限定される(生産性は低い) wide width
strong strength 強さ
long length 長さ
-cy 状態・性質を表す(一部の語に限定) accurate accuracy 正確さ
urgent urgency 緊急性
-dom 地位・状態を表す(限定的) free freedom 自由
wise wisdom 知恵

ネイティブの感覚: -ness は「その形容詞が表す性質・状態そのもの」を素直に名詞化する、非常に汎用的で規則的な接尾辞です。一方 -ity はラテン語源の硬い語に付くことが多く、フォーマルな文章・学術的な文章でよく使われます。迷ったら「日常会話寄りなら -ness、フォーマル・学術寄りなら -ity」という感覚を持っておくと便利です。

例文で確認する形容詞由来の名詞化

  1. Happiness is more important than money.
    幸福はお金より大切だ。)
  2. There is a possibility of rain tomorrow.
    (明日は雨の可能性がある。)
  3. The darkness of the room made her nervous.
    (部屋の暗さが彼女を不安にさせた。)
  4. The bridge has a width of ten meters.
    (その橋のは10メートルある。)
  5. We admired the wisdom of the old teacher.
    (私たちはその老教師の知恵に感服した。)

名詞化した単語の文中での使い方(形・公式)

名詞化された単語は、通常の名詞と全く同じように文中で使われます。基本の型を確認しましょう。

形(公式)

文の種類 公式 例文 日本語訳
肯定文 主語 + 動詞 + 名詞化した語(+ of/for + 名詞) The discussion of the topic took two hours. その話題についての議論は2時間かかった。
否定文 主語 + do/does/did + not + 動詞 + 名詞化した語 We did not reach an agreement. 私たちは合意に達しなかった。
疑問文 Do/Does/Did + 主語 + 動詞 + 名詞化した語? Did they make a final decision? 彼らは最終決定を下しましたか。
前置詞との組み合わせ 名詞化した語 + of + 名詞(〜の〜) the explanation of the rule その規則の説明
形容詞との組み合わせ 形容詞 + 名詞化した語 a sudden increase in prices 物価の急な上昇

名詞化した単語は名詞なので、その前に冠詞(a/an/the)を置いたり、所有格(his, her, the company's など)を付けたりできる点も、普通の名詞と同じです。

  • the decision(その決定) / a decision(ある決定)
  • his explanation(彼の説明)
  • the company's development(その会社の発展)

名詞化の主な用法:フォーマルな文章で使われる5つの場面

  1. 学術論文・レポートで、行為や結果を客観的に述べるとき
    The implementation of the new policy was delayed.
    (新政策の実施は遅れた。)

  2. ビジネス文書で、動詞を使うより簡潔・フォーマルに表現したいとき
    We look forward to your confirmation.
    (ご確認をお待ちしております。)

  3. ニュース記事の見出しや本文で、簡潔に出来事を表現するとき
    The announcement of the merger shocked investors.
    (合併の発表は投資家を驚かせた。)

  4. 抽象的な性質・状態を主語にして議論するとき(形容詞由来の名詞化)
    Honesty is the best policy.
    正直は最善の策である。)

  5. 前置詞 of を使って、動詞+目的語の関係を名詞句の中に凝縮するとき
    the destruction of the forest(動詞なら destroy the forest に相当)
    (森林の破壊

ネイティブの感覚: 英語のフォーマルな文章では「誰が何をした」を動詞でストレートに言うより、名詞化を使って行為や状態そのものを主語・目的語にする傾向があります。これは日本語の「〜することによって」「〜という事実」に近い抽象化の発想です。逆に会話ではこの名詞化を使いすぎると硬く不自然に聞こえるため、話し言葉では動詞を使ったシンプルな文の方が自然な場合も多いことを覚えておきましょう。


名詞化・動名詞・現在分詞の違い:混同しやすい3つの-ing形

日本人学習者が特に混乱しやすいのが、「動詞のing形」に見える単語の扱いです。実は英語には少なくとも3つの異なる「-ing系」の使い方があります。

種類 品詞・機能 特徴
動名詞(gerund) 動詞の性質を残したまま名詞的に働く Swimming is fun. / I enjoy swimming every day. 目的語を直接取れる(swimming the river のように)。冠詞は原則付けにくい。
名詞化した-ing名詞 完全に独立した名詞(辞書に載っている) The building is very old. 冠詞・複数形が付く(a building, buildings)。動詞の目的語を直接取れない。
現在分詞(present participle) 形容詞的に名詞を修飾、または進行形を作る the sleeping baby / She is sleeping. 名詞そのものではない。

具体例で比較

  • Gerund(動名詞): Reading books is my hobby.(本を読むことは私の趣味だ。)→ books という目的語を直接取っている
  • Nominalization(-ing名詞化): The reading of the report took an hour.(その報告書の朗読は1時間かかった。)→ of を挟んで名詞句を作る、冠詞 the が付く
  • Present participle(現在分詞): The reading group meets on Mondays.(その読書グループは月曜日に集まる。)→ 名詞 group を修飾する形容詞的用法

学習のポイント: 「the/a が付くか」「of を伴って目的語を示すか、それとも動詞のように直接目的語を取るか」を見れば、動名詞なのか完全に名詞化した語なのかを区別できます。


日本人が特に間違えやすい名詞化のポイント

❌ 誤 ⭕ 正 なぜ間違いなのか
❌ I want to discussion this matter. ⭕ I want to discuss this matter. / I want to have a discussion about this matter. discussion は名詞。動詞として使いたい場合は discuss を使う必要がある。日本語の「議論する」につられて名詞をそのまま動詞のように使ってしまう典型的な誤り。
❌ She has much informations. ⭕ She has a lot of information. information は不可算名詞。複数形の -s を付けられない。日本語の「情報」には単複の区別がないため、英語でも複数形にしてしまいがち。
❌ the discuss of the topic ⭕ the discussion of the topic 前置詞 of の前には名詞形(discussion)が来る。動詞の原形(discuss)は名詞句の中では使えない。
❌ He made a decide quickly. ⭕ He made a decision quickly. / He decided quickly. 冠詞 a の後には必ず名詞が来る。decide は動詞なので a decide という形は成立しない。
❌ The company's develop was fast. ⭕ The company's development was fast. 所有格(company's)の後には名詞が必要。develop は動詞であり、名詞形 development にする必要がある。
❌ a very useful ⭕ a very useful thing / usefulness 形容詞をそのまま名詞のように使ってしまう誤り。「役立つこと」と言いたい場合は usefulness という名詞化した形、または thing などの名詞を補う必要がある。
❌ importance thing ⭕ an important thing / the importance of this thing importance(名詞)と important(形容詞)を混同し、名詞を形容詞的に使ってしまう誤り。修飾する場合は形容詞 important を使う。

よくある原因の整理: 日本語では「議論」「議論する」のように、名詞と動詞の語形が全く同じか、助詞・活用語尾の違いだけで区別されます(例:議論/議論する、決定/決定する)。そのため、英語でも discuss と discussion、decide と decision を「同じ単語の違う姿」程度にしか意識せず、文法的にどちらの品詞が必要な位置なのかを見落としがちです。英作文をするときは、常に「今書こうとしている単語の前後には、名詞が必要な位置か、動詞が必要な位置か」を確認する癖をつけましょう。


可算名詞・不可算名詞に注意すべき名詞化の例

名詞化した単語の中には、不可算名詞(uncountable noun)として扱われるものが多くあります。日本語の感覚では複数形にしたくなる語でも、英語では単数形のまま使うのが正しい場合が多いため注意が必要です。

名詞化した語 可算/不可算 例文 日本語訳
information 不可算 I need more information.(informations ✗) もっと情報が必要だ。
advice 不可算 Can you give me some advice?(advices ✗) アドバイスをいただけますか。
knowledge 不可算 She has great knowledge of history. 彼女は歴史について豊富な知識を持っている。
happiness 不可算 Happiness cannot be bought. 幸福はお金で買えない。
decision 可算 We made three important decisions. 私たちは3つの重要な決定を下した。
suggestion 可算 He gave several useful suggestions. 彼はいくつかの有益な提案をした。

学習のポイント: -tion / -sion 系の動詞由来の名詞(decision, suggestion, explanation など)は可算名詞になることが多いのに対し、advice, information, knowledge のような一部の名詞は不可算名詞として固定されています。これは個別に覚えるしかない部分なので、辞書で名詞化した語を調べるときは必ず可算・不可算の表記(C / U)も確認する習慣をつけましょう。


自然な英語例文で学ぶ名詞化の実践

  1. My decision to study abroad changed my life.
    (留学するという私の決定は人生を変えた。)
  2. The teacher praised the clarity of his argument.
    (先生は彼の主張の明快さを褒めた。)
  3. They reached an agreement after long negotiations.
    (彼らは長い交渉の末、合意に達した。)
  4. The complexity of the system surprised the engineers.
    (そのシステムの複雑さはエンジニアたちを驚かせた。)
  5. Her kindness toward strangers is well known.
    (見知らぬ人への彼女の親切さはよく知られている。)
  6. The sudden collapse of the bridge shocked the town.
    (その橋の突然の崩壊は町に衝撃を与えた。)
  7. We appreciate your quick response to our request.
    (私たちの依頼への迅速な返答に感謝します。)
  8. The strength of her argument convinced the jury.
    (彼女の主張の説得力(強さ)は陪審員を納得させた。)
  9. His curiosity about science led him to become a researcher.
    (科学に対する彼の好奇心は、彼を研究者にした。)
  10. The government's failure to act caused public anger.
    (政府が対策を取らなかったという失敗は世論の怒りを招いた。)

まとめ:名詞化(deverbal / deadjectival nominalization)の核心ルール

  • 名詞化とは、動詞や形容詞に接尾辞(-tion, -ment, -al, -ance, -ness, -ity, -th など)を付けて名詞に変える語形成のプロセスである。
  • 動詞由来の名詞化(deverbal)は「〜すること・〜という行為や結果」を表し、-tion/-sion が最も生産性が高い。
  • 形容詞由来の名詞化(deadjectival)は「〜さ・〜であること」という性質や状態を表し、-ness が最も汎用的、-ity はよりフォーマル。
  • 名詞化した語は完全な名詞であり、冠詞・所有格・複数形など、通常の名詞と同じ文法規則に従う。
  • 動詞をそのまま名詞の位置(冠詞の後、of の前など)で使ってしまう誤り(例:a decide, the discuss of)に特に注意する。
  • information, advice, knowledge などの名詞化した語は不可算名詞であることが多く、複数形にしないよう気をつける。
  • 動名詞・現在分詞・名詞化した-ing形は見た目が似ているため、冠詞の有無や目的語の取り方で区別する。
  • フォーマルな文章(論文・ビジネス文書・ニュース)では名詞化が多用される一方、日常会話では動詞を使ったシンプルな表現の方が自然な場合が多いことも意識しておく。

動詞・形容詞を覚えるときは、必ずセットで名詞化した形も確認し、可算・不可算の区別まで含めて辞書でチェックする習慣をつけることが、英語の語彙力とライティング力を同時に伸ばす近道です。

シェア: コピーしました!

名詞化(動詞・形容詞由来) — 練習問題 3

英文法トピック名詞化(動詞・形容詞由来)を10問の選択式問題で練習しましょう。合格するには少なくとも70%を正解する必要があります。

10 問 合格スコア: 70% テスト 3 /10 回答済み

テストの受け方

  • 各問題をよく読み、最も適切な答えを選んでください。
  • このテストに制限時間はありません — ご自身のペースで進められます。
  • クリック テストを提出 終わったらスコアと詳しい解説を確認しましょう。

ログインして結果を保存する

ログインせずにこのテストを受けることもできますが、結果は保存されません。 ログイン 進捗を記録しましょう。

  1. 1

    Her _______ to the task was evident in her meticulous work.

  2. 2

    The _______ of the new evidence led to a breakthrough in the case.

  3. 3

    The sudden _______ of the storm caught everyone by surprise.

  4. 4

    The _______ of the new system requires extensive training.

  5. 5

    The _______ of the artist's work was truly captivating.

  6. 6

    The philosopher's words revealed a great _______ of thought.

  7. 7

    The _______ of the ancient civilization was a subject of archaeological interest.

  8. 8

    The _______ of the new policy will be discussed tomorrow.

  9. 9

    The _______ of the ancient civilization was a subject of much speculation.

  10. 10

    The _______ of the problem was clear after careful analysis.