C1 · 上級 TOEIC 785–900 IELTS 7.0–8.0 表記法と文章の結束性

複雑な接続表現と結束装置

複雑な接続表現と結束装置(参照連鎖、代用、省略)を学び、滑らかにつながる英文を書こう。

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複雑な接続表現(コネクター)と文章の一貫性(コヒージョン)とは

英語の文章が「読みやすい」か「バラバラで分かりにくい」かを分けるのは、実は文法の正確さ以上に接続表現(connectors)の使い方です。日本語では「そして」「しかし」「だから」といった接続語を使わなくても、文脈や語順、助詞のニュアンスだけで論理関係が伝わることが多くあります。しかし英語は、文と文、節と節の関係を明示的な接続語で示さないと、ネイティブスピーカーには「幼稚」または「論理が飛んでいる」文章に見えてしまいます。

このトピックで扱う「複雑な接続表現」とは、and / but / so のような基本的な等位接続詞(coordinating conjunctions)だけでなく、以下のような高度な結びつきの表現を指します。

  • 従属接続詞(subordinating conjunctions): although, whereas, given that, provided that など
  • 接続副詞(conjunctive adverbs / transition words): however, therefore, moreover, nevertheless など
  • 相関接続詞(correlative conjunctions): not only ~ but also, neither ~ nor など
  • 分詞構文(participial constructions)による節の圧縮
  • 関係代名詞・関係副詞による節の結合

そして「コヒージョン(cohesion)」とは、これらの接続表現やその他の結束装置(代名詞、指示語、語彙の反復・言い換えなど)を使って、文章全体を1つのまとまりとして読み手に伝える技術のことです。TOEFL・IELTS・英検準1級以上のライティング、ビジネスメール、学術論文など、あらゆる「書く英語」で評価される核心スキルです。

接続表現の種類と文構造の公式

英語の接続表現は、品詞・機能によって文中での「置き場所」と「使える句読点」が厳密に決まっています。ここを混同すると、カンマの位置や大文字小文字を間違えたり、文が接続詞なしにつながる「ラン・オン文(run-on sentence)」になったりします。

形(公式)

種類 代表例 文構造の公式 記号
等位接続詞(Coordinating Conjunction) and, but, or, so, yet, for, nor 文, + 接続詞 + 文. カンマ+接続詞
従属接続詞(Subordinating Conjunction) although, because, while, since, if 従属節, 主節./主節 従属節. 節が前なら後ろにカンマ
接続副詞(Conjunctive Adverb) however, therefore, moreover, thus 文1; 接続副詞, 文2. セミコロン+接続副詞+カンマ
相関接続詞(Correlative Conjunction) not only A but also B / either A or B 対になる要素を並列構造で カンマ原則不要
関係詞(Relative Pronoun/Adverb) who, which, that, where 先行詞 + 関係詞 + 節 制限用法はカンマなし

特に重要な区別: however, therefore, moreover などの「接続副詞」は、文法上は接続詞ではなく副詞です。そのため、これらの前をカンマだけでつなぐと「カンマスプライス(comma splice)」という誤りになります。

❌ I was tired, however I kept working.
⭕ I was tired; however, I kept working.
⭕ I was tired. However, I kept working.
⭕ Although I was tired, I kept working.

主な用法(意味別に整理する接続表現)

英語の接続表現は「意味の機能」で分類して覚えると、作文の際に「この関係を表したいから、この接続語」とすぐ選べるようになります。

1. 対比・逆接を表す

ルール: 2つの事柄が矛盾・対照的な関係にあることを示す。

  • Although / Even though + S + V(従属接続詞、意味はほぼ同じだが even though はより強い対比)
    Although the exam was difficult, most students passed.
    (試験は難しかったが、ほとんどの生徒が合格した。)

  • Whereas / While(対比、フォーマルな文章でよく使われる)
    Japan drives on the left, whereas the U.S. drives on the right.
    (日本は左側通行だが、アメリカは右側通行だ。)

  • However(接続副詞、文頭かセミコロンの後)
    The plan looked perfect on paper; however, it failed in practice.
    (その計画は紙の上では完璧に見えたが、実際にはうまくいかなかった。)

  • Despite / In spite of + 名詞句(or 動名詞)(前置詞なので後ろは名詞・動名詞。that節は続けられない点に注意)
    Despite the heavy rain, the game continued.
    (大雨にもかかわらず、試合は続いた。)

2. 理由・原因を表す

ルール: 結果につながる理由を明示する。

  • Because / Since / As + S + V
    Since the store was closed, we went home.
    (店が閉まっていたので、私たちは家に帰った。)

  • Given that + S + V(フォーマル、「〜を考慮すると」)
    Given that the deadline is tomorrow, we should start now.
    (締め切りが明日であることを考えると、今すぐ始めるべきだ。)

  • Due to / Because of + 名詞句(前置詞。becauseと違い後ろに節は取れない)
    The flight was delayed due to bad weather.
    (悪天候のため、フライトは遅延した。)

3. 結果・帰結を表す

ルール: 前の内容から生じる結論・結果を導く。

  • So + S + V(口語的、等位接続詞)
    It was raining, so we cancelled the picnic.
    (雨が降っていたので、私たちはピクニックを中止した。)

  • Therefore / Thus / Consequently(接続副詞、ライティングでよく使う)
    The data was incomplete; therefore, the results are inconclusive.
    (データが不完全だったので、結果は決定的ではない。)

  • As a result of + 名詞句
    As a result of the merger, the company doubled its workforce.
    (合併の結果、その会社は従業員数を倍増させた。)

4. 追加・列挙を表す

ルール: 情報を積み重ねる際に使う。

  • Moreover / Furthermore / In addition(接続副詞、フォーマル)
    The hotel was cheap. Moreover, it was close to the station.
    (そのホテルは安かった。さらに、駅にも近かった。)

  • Not only A but also B(相関接続詞、Aが文頭に来ると倒置が起きる点に注意)
    Not only did she pass the exam, but she also got the highest score.
    (彼女は試験に合格しただけでなく、最高得点まで取った。)

5. 条件を表す

ルール: 「〜ならば」という前提条件を示す。

  • If / Provided that / As long as + S + V
    Provided that you finish the report, you can leave early.
    (レポートを終わらせるなら、早く帰ってもいい。)

  • Unless + S + V(「〜しない限り」、否定の意味を含むため文中でnotを重ねない)
    Unless it rains, we will go hiking.
    (雨が降らない限り、私たちはハイキングに行く。)

6. 分詞構文で節を圧縮する

ルール: 主語が同じ2つの節を、接続詞+動詞の代わりに分詞(〜ing / 〜ed)でつなぎ、簡潔で洗練された文にする。

Having finished the report, she went home early.
(レポートを終えたので、彼女は早く帰宅した。)

Written in simple English, the book is easy for beginners to read.
(簡単な英語で書かれているので、その本は初心者にも読みやすい。)

混同しやすい表現の比較

表現 品詞 位置 句読点
but 等位接続詞 文中、2文をつなぐ 前にカンマ I tried, but I failed.
however 接続副詞 文頭 or セミコロン後 セミコロン+カンマ、または独立文+カンマ I tried; however, I failed.
although 従属接続詞 従属節の先頭 節が前ならカンマ Although I tried, I failed.
despite 前置詞 名詞句の前 カンマ任意 Despite my efforts, I failed.
表現 意味 使い方の違い
because 理由(口語・書き言葉どちらもOK) S + V を直接続けられる
because of 理由(前置詞) 後ろは名詞句のみ
so 結果(口語的) 等位接続詞、カジュアルな文でよく使う
therefore 結果(フォーマル) 接続副詞、論文・ビジネス文書向き

日本人がよく間違えるポイント

日本語の「〜だが、しかし〜」のように接続語を重ねる発想や、日本語の助詞感覚をそのまま英語に当てはめると、以下のような誤りが典型的に発生します。

❌ 誤り ⭕ 正しい表現 なぜ間違いなのか
Although it was raining, but we went out. Although it was raining, we went out. 日本語の「〜だが、しかし〜」の発想でalthoughとbutを二重に使ってしまう。英語では従属節(although)だけで対比の意味が完結するため、butを重ねる必要はない。
I was tired, however I kept working. I was tired; however, I kept working. / I was tired. However, I kept working. howeverは接続詞ではなく接続副詞。カンマだけで2つの文をつなぐと「カンマスプライス」という文法エラーになる。
Despite of the rain, we went out. Despite the rain, we went out. despiteは前置詞であり、それ自体に「of」の意味を含む。in spite ofと混同してofを付け足してしまう典型的なミス。
Because the traffic, I was late. Because of the traffic, I was late. / Because there was traffic, I was late. becauseは接続詞なので後ろにS+Vの節が必要。名詞(traffic)だけを続けたい場合はbecause ofを使う。
If it will rain tomorrow, I will stay home. If it rains tomorrow, I will stay home. 条件を表すif節の中では、未来のことでも現在形を使うのが英語のルール(時・条件を表す副詞節の中では未来形を使わない)。
I like coffee. And I like tea. I like coffee, and I like tea. / I like both coffee and tea. 文頭にAndを置くこと自体は稀に許容されるが、フォーマルな文章では等位接続詞は基本的に2文を1文にまとめる働きをするため、多用は幼稚な印象を与える。
Not only she is smart but also kind. Not only is she smart, but she is also kind. not only が文頭に来ると倒置(is she)が必要。日本語にはない語順変化のため見落としやすい。
It rains, so I bring umbrella. It's raining, so I'm bringing an umbrella. / Since it's raining, I'm bringing an umbrella. 可算名詞umbrellaの前に冠詞が必要。また日本語では時制を意識しにくいため、現在形の羅列になりがち。

学習のポイントとして、接続副詞(however, therefore, moreover など)は「文と文の間の橋」であって「文をつなぐ接着剤」ではない、とイメージすると区別しやすくなります。橋は独立した2つの陸地(=完全な文)の間に架けるものであり、橋自体が陸地になるわけではありません。つまり howeverの前後には必ず「完結した文」が来る必要がある、という感覚を持つと、カンマスプライスのミスが激減します。

自然な例文でコヒージョンを確認する

以下は、複数の接続表現を組み合わせて一貫性のある文章を作る例です。主語や場面を変えて確認しましょう。

My brother wanted to buy a new laptop; however, he decided to save the money instead.
(兄は新しいノートパソコンを買いたがっていたが、代わりにそのお金を貯金することにした。)

Although the meeting ran late, everyone stayed focused until the end.
(会議は長引いたが、全員が最後まで集中力を保った。)

She studied every night, so she was well prepared for the interview.
(彼女は毎晩勉強していたので、面接の準備が万全だった。)

Given that ticket prices have risen sharply, fewer people are traveling by plane this year.
(航空券の価格が急上昇していることを考えると、今年は飛行機で旅行する人が減っている。)

Not only did the restaurant serve delicious food, but it also offered excellent service.
(そのレストランは美味しい料理を提供しただけでなく、素晴らしいサービスも提供した。)

Having lived in Canada for five years, he speaks English fluently.
(5年間カナダに住んでいたので、彼は英語を流暢に話す。)

Unless we leave now, we will miss the last train.
(今すぐ出発しない限り、私たちは終電を逃してしまう。)

The company's profits declined; nevertheless, it continued to invest in new technology.
(その会社の利益は減少したが、それでも新技術への投資を続けた。)

文章全体のコヒージョンを高めるためのコツ

接続表現は1文レベルの技術ですが、コヒージョンは段落・文章全体レベルの技術です。ネイティブが書く文章では、接続語だけでなく以下のような結束装置も同時に使われています。

  1. 代名詞による指示: 前に出た名詞をit, they, this, suchなどで受け、同じ語の繰り返しを避ける。
  2. 言い換え(同義語・上位語): 例えばdogを2回目以降はthe animalやthe petと言い換える。
  3. 接続表現の使い分け: 同じ段落内でhoweverを何度も使わず、nevertheless, on the other hand, in contrastなど類義の接続語に変化をつける。
  4. 論理の一貫性: 「原因→結果」「主張→根拠→具体例→結論」といった論理展開を、接続表現で明示しながら一直線に保つ。

ネイティブの感覚として、英作文では「読み手は前後の文脈を推測してくれない」という前提で書きます。日本語であれば省略されがちな論理関係も、英語では接続表現によって逐一明示することが、読みやすく説得力のある文章の条件になります。

まとめ:複雑な接続表現とコヒージョンの核心ルール

  • 等位接続詞(and, but, so)はカンマ+接続詞で2文をつなぐ。
  • 従属接続詞(although, because, if など)は節同士をつなぎ、従属節が文頭に来る場合はカンマを置く。
  • 接続副詞(however, therefore, moreover など)は副詞であり接続詞ではない。前後は独立した文にし、セミコロンまたはピリオドで区切る(カンマだけでつなぐとカンマスプライスになる)。
  • despite / because of / due toなどの前置詞は、後ろに名詞句のみを取り、節(S+V)を続けることはできない。
  • not only ~ but alsoなどの相関接続詞は、対になる語句の文法的な形をそろえる(並列構造)必要がある。
  • 分詞構文は、主語が共通する2つの節を簡潔にまとめ、フォーマルで洗練された文体を作る。
  • 単語の反復を避け、代名詞・言い換え・多様な接続表現を使い分けることで、文章全体の一貫性(コヒージョン)が高まる。
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複雑な接続表現と結束装置 — 練習問題 4

英文法トピック複雑な接続表現と結束装置を10問の選択式問題で練習しましょう。合格するには少なくとも70%を正解する必要があります。

10 問 合格スコア: 70% テスト 4 /10 回答済み

テストの受け方

  • 各問題をよく読み、最も適切な答えを選んでください。
  • このテストに制限時間はありません — ご自身のペースで進められます。
  • クリック テストを提出 終わったらスコアと詳しい解説を確認しましょう。

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  1. 1

    He is tall, ___ his brother is short.

  2. 2

    The company's new marketing campaign was expensive; ___, it yielded impressive results.

  3. 3

    ___ the complexity of the legal jargon, the contract was difficult to comprehend for the average person.

  4. 4

    He was tired, ___ he went to bed early.

  5. 5

    The new software is expensive; ___, it offers unparalleled security features.

  6. 6

    You must submit your application by Friday, ___ you will not be considered.

  7. 7

    She speaks English fluently, ___ she also speaks Spanish.

  8. 8

    You can borrow my car ___ you have a valid driver's license.

  9. 9

    The scientific community initially resisted the new paradigm; ___, its explanatory power eventually led to its widespread acceptance.

  10. 10

    The company is expanding its operations; ___, it is hiring more staff.